2026年3月31日

「乳歯ってどうせ抜けるんだから、むし歯になっても治療しなくていいんじゃない?」
そう思ったことはありませんか?
実は、お子さんの乳歯のむし歯を心配して来院される保護者の方から、このご質問をいただくことがとても多いんです。「放っておいてもいい気がするけど、本当にそれで大丈夫なのか…」と、なんとなく不安を感じながらも、なかなか受診に踏み切れないという方もいらっしゃいます。
そのもやもやした気持ち、すごくよくわかります。
今回は、乳歯のむし歯を放っておいた場合に何が起こるのか、そして「じゃあどうすればいいの?」というところまで、できるだけわかりやすくお話ししていきますね。
「どうせ生え変わる歯だから」というイメージが強い乳歯ですが、ただの”仮の歯”ではありません。
乳歯には、食べ物をかみ砕いて消化を助けるという直接的な役割はもちろん、発音を助けたり、顎の骨の発育を促したりする役割もあります。さらに、子どもの口の中で特に重要なのが「永久歯が生えてくるためのスペースを確保する」という役割です。
永久歯は、乳歯のすぐ下で出番を待っています。乳歯が適切な時期に正しく抜けることで、永久歯はちょうどいい場所に、ちょうどいい方向で生えてくることができます。乳歯はいわば、永久歯のための”場所取り”をしているような存在なんです。
だからこそ、乳歯の健康を守ることは、将来の歯並びや噛み合わせを守ることにも直接つながっています。
では、乳歯にむし歯ができてそのままにしておくと、どんなことが起こりうるのでしょうか。
まず頭に入れておきたいのが、乳歯の根っこは永久歯のすぐそばにある、ということです。むし歯が進行して歯の神経を超え、根っこの先にまで炎症が広がると、そのすぐ近くで育っている永久歯の”芽”(歯胚=しはい、と呼びます)にダメージが及ぶことがあります。
その結果、永久歯が変色した状態で生えてきたり、形が一部欠けた状態で生えてきたりすることがあります。これは「ターナー歯」と呼ばれる状態で、永久歯が生えてきてから初めて気づくケースがほとんどです。
また、むし歯が重症化して乳歯が早く抜けてしまった場合、隣の歯がそのすき間に倒れ込んでくることがあります。するとせっかく確保されていたスペースが失われ、永久歯が生えてくる場所がなくなってしまうことも。これが将来の歯並びの乱れにつながるケースが少なくありません。
「治療が必要だったのかな…」と後から後悔されるご家族の方もいらっしゃいます。でも、早めに気づいて対処できれば、多くの場合は問題を防いだり、小さくしたりすることができます。
お子さんが歯の痛みを訴えていないと、「むし歯はないんだろう」と安心しがちですよね。でも、むし歯というのは初期段階では痛みがほとんど出ないことが多いんです。
歯はエナメル質(表面の固い層)、象牙質(その内側)、歯髄(神経や血管が通る中心部)という構造になっています。むし歯が表面のエナメル質や象牙質の段階であれば、痛みを感じないことが多く、子どもが「痛い」と言わない間に、じわじわと進行していることがあります。
子どもは自分の体の変化をうまく言葉で伝えられないことも多いので、親御さんが定期的にお口の中を観察してあげることがとても大切です。歯の表面に白っぽい濁りや茶色・黒っぽい点がある、歯茎の一部が腫れている、食事のときに片側だけで噛んでいる…こうしたサインに気づいたら、一度歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
「じゃあ、むし歯にならないようにするにはどうすればいいの?」という話もしておきますね。
基本はやはり、毎日の歯磨きです。お子さん自身が磨くだけでは磨き残しが出やすいため、小学校低学年くらいまでは親御さんによる仕上げ磨きを続けることが推奨されています。特に奥歯の溝や歯と歯の間は汚れが残りやすいので、意識して磨いてあげてください。
それから、フッ素(フッ化物)の活用もとても有効です。歯磨き粉に含まれているフッ素には、歯の表面を強くしてむし歯菌の働きを抑える効果があります。歯科医院でのフッ素塗布も、むし歯予防に役立つと考えられています。
あとは、おやつのとり方も見直してみると良いかもしれません。むし歯菌は糖を栄養にして酸を出し、歯を溶かします。問題なのは「甘いものを食べること」よりも「だらだらと長時間食べ続けること」です。おやつは時間を決めてあげる、食後はなるべく早く歯を磨く、こうした小さな積み重ねがむし歯予防につながります。
もし「あれ、むし歯かな?」と感じることがあったとしても、必要以上に心配しなくて大丈夫です。むし歯は進行度によって対応の方法が変わりますし、早い段階であれば歯を削らずに経過観察やフッ素塗布で対応できることもあります。
大切なのは、「痛くなってから行く」ではなく、「気になったら早めに診てもらう」という習慣を持つことです。
定期的に歯科医院を受診することで、むし歯の早期発見ができるだけでなく、お子さんが歯医者に慣れるという大きなメリットもあります。痛みのある状態で初めて治療を経験すると、それが「歯医者は怖いところ」という記憶につながりやすくなります。でも、健診や予防処置を通じて歯科医院に慣れているお子さんは、いざ治療が必要になったときも落ち着いて受けられることが多いんです。
足利市福居町にあるむらかみ歯科・矯正歯科では、小さなお子さんの「歯科医院デビュー」から、むし歯の治療・予防ケアまで、お子さんのペースに合わせて丁寧に対応しています。
「むし歯かどうか確認してほしいだけ」「歯磨きの仕方を教えてほしい」そんな軽いご相談でも、もちろん大歓迎です。難しいことを考えすぎずに、まずはお気軽にお声がけください。お子さんの口腔環境について、一緒に考えていけたらと思っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状や治療については、歯科医師へのご相談をおすすめします。
栃木県足利市福居町の歯医者「むらかみ歯科・矯正歯科」院長の村上智保です。
小児歯科・こどもの矯正を中心に、子どもから大人まで通いやすい歯科医院を目指しています。
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