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子どもの歯並びに影響する「悪い癖」って何?爪噛み・頬杖・うつぶせ寝を歯科医師が解説

2026年4月29日

 

「うちの子、いつも頬杖をついているんだけど、歯並びに影響するのかな…」

「爪を噛む癖がなかなか直らなくて。歯医者さんに相談した方がいいのかしら」

こんなことを気にしながらも、「そこまで深刻じゃないかな」と様子を見ているご家庭、多いと思います。

子どもの何気ない日常の癖。でも、それが毎日繰り返されることで、少しずつ歯並びや顎の発育に影響を与えることがあります。といっても、「すぐに矯正が必要!」という話ではありません。まずは「どんな癖がどんな影響を与えるのか」を知っておくことが、親御さんにとって一番の安心につながると思っています。

今回は、子どもの歯並びに影響しやすい代表的な癖について、それぞれの仕組みと対処のヒントをお伝えしていきます。

 

そもそも、なぜ「癖」が歯並びに影響するの?

まず前提として、なぜ日常の癖が歯並びに影響するのかをお話しします。

歯は、周囲からかかる力のバランスによって少しずつ位置が変化する性質を持っています。矯正治療の仕組みも、この性質を利用して歯を動かすものです。つまり、日常的に繰り返される癖が「持続的な力」として歯や顎に加わり続けると、その方向に少しずつ歯や骨が動いていく可能性があります。

特に子どもの時期は、顎の骨がまだ成長の途中にあり、大人に比べてやわらかく変化しやすい状態です。そのため、大人よりも癖の影響を受けやすいと言われています。

ただ、癖があるからといって「必ず歯並びが悪くなる」わけではありません。癖の強さ・頻度・続いている期間、そしてお子さん自身の成長の状況によって、影響の出方はさまざまです。「うちの子に当てはまるかも」と感じたとしても、まずは落ち着いて読み進めてみてください

 

爪噛み・指しゃぶり、口周りに力がかかる癖の影響

爪を噛む癖(咬爪癖=こうそうへき)は、小学生以上の子どもによく見られます。前歯で爪を噛み続けることで、前歯に持続的な力が加わります。その結果、前歯が少しずつ前方に傾いたり、上下の前歯が噛み合わなくなる「開咬(かいこう)」と呼ばれる状態につながることがあります。開咬とは、奥歯は噛み合っているのに前歯が噛み合わず、上下の間に隙間が開いてしまっている状態のことです。

また、爪噛みは歯そのものへの影響だけでなく、歯の表面を傷つけたり、顎の関節に負担をかけたりすることもあります。

一方、指しゃぶりは2〜3歳ごろまでは発達の一過程として見られることが多く、それほど心配しなくてよい場合もあります。ただ、4〜5歳以降も続いている場合は、上の前歯が前方に傾く「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」、いわゆる出っ歯の状態や、先ほど触れた開咬につながる可能性が出てきます。

どちらも「すぐに治療が必要」ということではありませんが、気になる場合は歯科医師に相談することで、現在の歯並びへの影響を確認してもらうことができます

 

頬杖、うつぶせ寝…顎に外から力がかかる癖

「頬杖くらいで歯並びに影響するの?」と思う方もいるかもしれません。でも、頬杖は片方の顎に体重の一部がかかり続ける姿勢です。これが習慣化すると、顎の左右のバランスが崩れてくることがあります。

顔の左右非対称や、咬み合わせのズレにつながる場合があると言われており、特に成長期の子どもは顎の骨が変化しやすいため、影響が出やすいと考えられています。勉強中やテレビを見ているときにいつも同じ側で頬杖をついている、というお子さんは少し気にしてみてください。

うつぶせ寝も、同じように顎への外からの力が問題になります。うつぶせの状態では、顔の重さが顎全体にかかります。毎晩長時間その姿勢で寝ていると、上顎や下顎に持続的な圧力がかかり、歯並びや顎の発育に影響する可能性があります。

横向き寝も、片側の顎に圧がかかり続けるという点で同様のことが言えます。「寝る姿勢まで気にしないといけないの?」と感じるかもしれませんが、完全にコントロールするのは難しいですし、神経質になりすぎる必要もありません。ただ、気づいたときに声をかけてあげる程度の意識を持っておくと良いかもしれません

 

口呼吸・舌の癖も、歯並びと深い関係があります

少し範囲を広げて、口呼吸や舌の癖についてもお伝えします。

口呼吸とは、常に口を開けて呼吸している状態のことです。本来、呼吸は鼻で行うのが自然な状態です。口呼吸が習慣化すると、口周りの筋肉のバランスが変わり、上顎が狭くなりやすくなったり、歯が前方に傾きやすくなったりすることがあると言われています。また、口の中が乾燥しやすくなるため、むし歯や歯周病のリスクが高まるという側面もあります。

舌の癖については、「舌癖(ぜつへき)」と呼ばれます。たとえば、飲み込む際に舌を前歯の裏側に押し付ける癖(異常嚥下癖=いじょうえんげへき)があると、飲み込むたびに前歯に舌の力がかかり続けます。これが出っ歯や開咬につながる要因になることがあります。

これらの癖は、親御さんが日常の中で気づきにくいこともあります。「いつも口が開いているな」「舌が出ていることが多いな」と感じたら、一度歯科医院で確認してもらうと良いかもしれません

 

癖に気づいたとき、親としてどう関わればいい?

「癖を直させなければ」と思うあまり、強く叱ったり注意し続けたりすることは、逆効果になることがあります。癖の多くは、緊張やストレス、退屈など心理的な要因が絡んでいることも少なくありません。強く指摘されることで、かえってストレスが増し、癖が強くなってしまうケースもあります。

大切なのは、「気づいたら穏やかに声をかける」ことと、「なぜその癖が出ているのかを観察してみる」ことです。特定の場面(勉強中、テレビを見ているとき、眠いときなど)に癖が出やすいなら、その状況を少し変えてみるだけで自然に減っていくこともあります。

また、「やめなさい」という言葉より、「お口閉じようか」「手を下ろしてみて」など、具体的な行動を促す声かけの方が伝わりやすいことが多いです。お子さんが自分で気づけるような関わり方を、焦らずゆっくり続けていただければと思います。

どうしても癖が直らない、歯並びへの影響が心配、という場合は、歯科医師や場合によっては小児科・耳鼻科など専門家に相談してみるのも一つの方法です。


「うちの子の癖、歯並びに影響してるかな?」と気になっていたら、ぜひ一度お気軽にご来院ください。

足利市福居町のむらかみ歯科・矯正歯科では、歯並びや顎の発育に関するご相談も承っています。「治療が必要かどうかはまだわからないけど、確認だけしてほしい」という来院でも、もちろん歓迎です。現在の歯並びの状態をわかりやすくお伝えしながら、必要に応じて対応策を一緒に考えていきます。気軽に話しかけてください。


本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状や治療については、歯科医師へのご相談をおすすめします


むらかみ歯科・矯正歯科 院長 村上智保

村上智保|むらかみ歯科・矯正歯科 BLOG

栃木県足利市福居町の歯医者「むらかみ歯科・矯正歯科」院長の村上智保です。
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